• Facebook
  • Instagram
  • twitter
  • CCになりたい方へ
  • 訪問を希望する病院の方へ
  • 講演依頼の方へ
  • メディア取材希望の方へ
  • 企業の方へ

支援する

病気や障害を抱えるこどもや家族への関心を高めるWEBメディア

クリニクラウンジャーナル

それは素敵なおまじない 誰もが誰かのサンタになれる 優しさがきらきら反射するステージの案内人:外間孝次さん

あなたは『H2Oサンタ』の存在を知っていますか?

H2Oサンタとは、『誰もが誰かのサンタになれる』を合言葉に、阪急・阪神百貨店、阪急オアシス、イズミヤをはじめとするエイチ・ツー・オーリティリンググループの社会貢献団体です。地域社会にチャリティー文化を創造することを目的に活動していて、こども支援団体などの応援イベントを開催したり、その活動内容を紹介したりして、百貨店に来たお客様に気軽にチャリティーに参加してもらう機会をつくっています。

そのH2Oサンタの事務局長である外間孝次さんは、多くの社会貢献団体の成長を見守り、お世話をして下さる、まさに、サンタ・オブ・サンタ!!
クリニクラウンも、様々なチャリティーイベントでお世話になっている力強い味方です。

クリニクラウンの恒例のチャリティーイベント『RED NOSE DAY with Cliniclowns』は2013年から阪急うめだ本店9階の祝祭広場で開催しています。
社会貢献の一環として、関西でも屈指の立地を誇る百貨店の、華やかなステージでチャリティーイベントを開いてくれる『H2Oサンタ』。一体どんな人が、どんな思いで、お仕事されているのでしょうか?

長く、日本クリニクラウン協会や様々な団体と一緒に活動されてこられた中で、感じた事。そして、気になる外間さんご自身の事も、お話して頂きました。

社会貢献というお仕事にたどりつくまでのできごと

一般財団法人H2Oサンタ事務局長の外間さんが、社会貢献にお仕事として関わって行きたいと思われたのは、ある大きな2つの転機があったからでした。

まず、1つ目は、勤務先である、阪急百貨店うめだ本店で、以前所属していたスポーツ用品の部署の視察で、シカゴマラソンに参加した経験からです。

外間さんは、スタート直前、目の前のブラインドランナー(視覚障害のあるランナー)の存在に気づきました。3万人以上のランナーがいる中を安全に走れるのかな?と心配していると、伴走するボランティアランナーが「彼女が走るから道を開けて!と言いました。そのとたん、モーセの十戒の話の様に人の波が割れて、彼女の為の道が出来上がったのです。

そして、その感動も醒めやらぬまま走り出した外間さんに、見ず知らずの街中の人々がゼッケンに書かれている名前を見て、「コージファイト!」と呼びかけ、応援してくれています。その声援に力を貰い、完走したゴールでは思いがこみ上げ、思わず、涙を流してしまいました。

ゴールテープを切り、会場を見渡すとシカゴマラソンに協賛している企業のロゴがありました。そのとき「自身の会社も、みんなにこんな風に頼りにされる、必要な会社と思われたいなぁ」と感じたそうです。

そして、もう1つは、シカゴマラソンの後に大きな病気で、入院手術を繰り返した経験です。

「入院期間中に、JRの脱線事故が起こり、同じ病院に事故の被害者が100名以上運び込まれました。自身が病気になった事も含め、自分ではどうにもできずに人生が変わってしてしまう事もあるのだなぁと、改めて痛感させられました。病気とこれからの人生にどう向き合っていくか?考えた事も大きかった。」と話して下さいました。

そんな経験の中で、2012年に社内で社会貢献の部署「チャリティー企画部)が作られ、募集の声に、手をあげました。そして、今では社会貢献が仕事でもあり、生活の一部になっていて、何をしていてもついつい考えてしまうという外間さん。

「大げさかもしれませんが自分が生きてる意味というか、誰かの力になれたら自分も幸せを感じるなってことはすごく思うので。すごく今っていいなと。」

●ありがとうがこだまする
だれもが、さり気なくサンタになれるきっかけの場所

そんな天職ともいえるお仕事の中で、外間さんが1番社会貢献団体と地域の皆様との橋渡しになれているかな、と思うのはご自身が司会を務めるチャリティトークイベントだそうです。
このチャリティトークイベントは、毎週土曜日に、阪急うめだ本店の9階にある13階まで4層吹抜けになっている祝祭広場で行われています。


阪急うめだ本店9階祝祭広場にて「REDNOSEDAY with CliniClowns」(2019.8.7)

社会貢献団体のスタッフやボランティアが、司会の外間さんとの質問形式で、お客様に向かって直接、自分たちの活動について伝える事が出来るトークイベントです。

祝祭広場には、お買い物の途中で、ゆっくり休憩されている方も多く、寛いだ雰囲気の中でトークイベントがスタートします。

「トークイベントをやっている間話を聞いてくださる方がいなくてもいいと思っているんです。真剣に聞いていなくても、何か耳に残って後で検索したり、家に帰って『こんな事やってたよ』って話し合ったり、困ったときに思い出すかも知れない。だから、興味の無い人、チャリティーにふれた事の無い人にも、少しでも興味を持っていただける様にわかりやすく伝える、大切な事を真面目に硬く伝え過ぎない事を心掛けて司会をしています。」

そして、実際にイベントで客席側に座って話をきかれていた人が、このトークイベントをきっかけに、ボランティアに参加され、何人もが社会貢献団体のエース級のボランティアになって活躍されていたりすることも。

また、社会貢献団体の紹介パネルと共に、募金箱が設置してあるチャリティーガイドコーナーでは、お客様から「こんな寄付する場所作ってくれてありがとう、毎週来て、寄付してるで。」と声をかけられて「こちらがお礼をする側なのに…」と、温かい驚きを感じる事もあるそうです。

めっちゃええことしているけど、あまり知られていない社会貢献団体を紹介したい!

外間さんと、クリニクラウンとの出会いは、2012年に阪急うめだ本店が建て替えと共に、チャリティーガイドというコーナーを作った頃まで遡ります。

「めっちゃええ事をしてるけど、世の中の方がまだご存じで無い社会貢献団体を紹介しよう」と企画し、色々な社会貢献団体について、学び、探し、訪問する中での出会いでした。

また、H2Oサンタ事務局長として、多くの社会貢献団体の様々な人と出会う中で、「当時は、自分とは違う“特別ないい人たち”がこういった活動に参加していると思っていたけれど、ごく普通の人が、何かのきっかけで、何かに気づいて、社会貢献活動に参加するんだな」と印象が変化し、興味の無い人にも、直接訴える事が出来る百貨店の祝祭広場が、チャリティーイベントの舞台である事の強みを感じる様になったそうです。

『何事でも全力で専門性が高く、チームワークが良いこと』そして、チャリティーイベントや、事務的なやりとりの中でも、仲間同士を気遣いあいながら、うまくその場を盛り上げようとする連携プレーに、病院訪問でのプロフェッショナルな姿を思い出されるそうです。

「病院全体をあったかい空気に出来る力を持っているので、いろいろなところで活躍してほしい。その為にはたくさんの人とクリニクラウンが出会う機会をもっともっとつくってほしい。学校教育の中やチャリティイーベントなど、どんどん活動を知ってもらう機会をつくって、認知をあげて、社会みんなが『足りへんやん!クリニクラウン!』って声が出てくるくらいになればいいですね。」と笑顔で語ってくださいました。

『何かのきっかけで、気付いて、知って、人生が大きく変わって行く』という外間さんの言葉が、今も耳に残っています。

この記事を読んで頂いた事も、誰かに『気付いて』そして『より、知って』もらえる『きっかけ』になれるかも知れません。

クリニクラウンジャーナルでは、個性豊かなクリニクラウンに関わる魅力的な人々の記事も気軽にご覧頂けますので、ぜひ、読んで、知って、クラウンだけじゃないクリニクランの周りに広がる多様な優しさの輪を知るきっかけにして頂けると嬉しいです。

そこに、今日、読んでくださったあなたに響く物語が見つかる事を、心から祈っています。もちろん!『記事を書いてみたい!!』というあなたも、『やっぱりクリニクラウンになりたい、知りたい』というあなたも、お待ちしております。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

外間 孝次(そとま こうじ)
1969年生まれ。兵庫県出身。
1993年 ㈱阪急百貨店入社〈 現、㈱阪急阪神百貨店 〉婦人服・イングス館(スポーツ用品)等を担当
2004年 イングス館担当時、シカゴマラソン視察にて社会貢献活動に興味を持つ。
2012年 マーケティング室 チャリティー企画部へ異動(社内公募)
2015年 一般財団法人H2Oサンタ兼務 2018年事務局長
阪急本店以外にも万博公園でのロハスフェスタの参加や百貨店支店、スーパー等へも活動を充実させ、現在はWebを活用した社会貢献団体支援にも取組んでいる。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

<ライタープロフィール>
東元久実(とうもと くみ)
ドラマの脚本を書きたくて、仕事のかたわら、大阪芸術大学芸術学部文芸専攻を卒業し、シナリオセンターに学ぶ。
現在は勤務先の旅行会社で、観光施設やホテルなど観光業に関する取材を行い、記事を書いています。
病児のきょうだい支援のボランティアに参加していた事がきっかけで、クリニクラウンにも出会い、ボランティアライター教室に参加。クリニクラウンジャーナルにご縁を頂きました。柔らかくて優しい物語のような、だれかの心に届く暖かい記事を書いていきたいです。